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仕事の結果が、数字に反映される面白さ。

専門学校を20歳で卒業し、就職したのはインターネット広告運用を手掛ける企業でした。WordやExcelがビジネスに必須なスキルだと思っていたので、その分野を使いこなせる仕事がしたいと思いました。

インターネット広告の会社と聞くとExcelは縁遠いと思うかもしれませんが、広告の結果分析やレポート作業など仕事の9割はExcelを使用します。当時は単純作業を短時間で処理できるシステムを独自で開発するほどExcelを使いこなせるようになっていました。

インターネット広告事業、いわゆるSEMの仕事をすることになったんです。SEMとは、あるウェブサイトに対して検索からの訪問者を増やすマーケティング手法の総称のことです。

実際に訪問者数を増やすために、「SEO」や「リスティング広告」といった手法が活用されます。具体的に私が担当していた業務は、実施されているウェブ広告施策のデータを収集し、検証しながらブラッシュアップの提案をすることでした。

「この企業に合った広告はテキスト中心か、画像中心なのか」から始まり、文面の考案まで。「人はどんな言葉に惹かれるのか」。試行錯誤しながら商品PRの文言を考え、広告を制作してアップする。クリック率等を注視しながら伸び悩んだら改善策を考えてまたアップする―。

専門学校公務員科から全く知らない世界での新しい仕事でしたが、日々変動する数字の世界に魅了されました。自分の予想が的中して効果が出たり、たくさん悩んだけれども効果が出なかったり―。

成果を出すことは簡単ではありませんでしたが、自分が一生懸命に取り組んだ結果が徐々に数字に反映されることが面白くなってきました。WEB広告はクリック率等で広告効果が明確にわかるので、自分で立案した企画の評価がわかりやすく、やりがいがありました。夢中になれる仕事を見つけられた、という思いが芽生えてきました。

しかしSEMだけでなく、もっと事業全体を川上から川下まで携わりたいという思いから、転職を考え始めました。培ってきたウェブ広告の知識を活かすことができる業界への転職を考え始めたのはこの頃でした。

データで新しい市場を作る。

そんな中、マギーの山川社長とお会いする機会がありました。マギーは全国約5千店舗のスーパーで、それぞれ購入された商品データや購入者の属性を分析できる「ID‐POSデータ」を保有しています。

1日数百万人のレシートデータを分析しており、この膨大なデータをもとに、「My Shop」という独自に開発したアプリを使って個人の嗜好に合わせたデジタル広告の配信や関連サービスの提案などができる新たな事業を展開しています。ビジネススキームを説明すると難しく聞こえるかもしれませんが、実際はすごくシンプルで便利です。

例えば、私が大好きなAというビールを毎日1本、行きつけのBスーパーで買っていたとするとそのデータをもとに、私の「My Shop」にはAビールのお得なキャンペーン情報やBスーパーでのAビールの特売情報などが個人ごとの最適なタイミングで配信されるという仕組みです。

万人に同じ広告が届く通常のクーポン情報と違い、普段行きつけのスーパーと連動して、自分がよく購入する商品に関わる情報が流れてきます。 時代はすでに「マス」から「パーソナル」に突入しています。

従来のようなテレビや新聞のマス広告では購買行動にはつながりにくくなっています。これからの時代に適応したサービスにワクワクしたと同時に、この業界でならこれまで経験してきたWEB広告の経験も生かせると感じました。

それまで全く知らない会社でしたが、山川社長の話に夢が膨らみ、興奮して鳥肌が立ったのを覚えています。「まだ世に出てないサービスを一緒に作り上げる」。とても魅力的で、転職を決めるのに時間はかかりませんでした。

「My Shop」の会員増強のため、現在は各スーパーやその周辺にある飲食店等に登録を促す営業活動を担っています。実際には関東近郊のスーパーなどで「My Shop」の説明会を開催しています。

これまでにないサービスなので、担当者にとってはなかなかイメージできないこともあると思いますが、消費者のお客さまにとってメリットのあるサービスであることをできるだけ丁寧に具体的な内容を伝えることを心掛けています。

また、スーパーだけでなく、その周辺のクリーニング店や飲食店などでも「My Shop」の導入に向けた営業をしています。スーパー周辺店舗での購入で、スーパーのポイントが付与されるサービスで、小規模店舗の利用促進につなげることが期待できます。

現在私は神奈川県横浜市のオフィスに勤務していますが、沖縄県内の担当者と連携して営業計画の策定なども担っています。毎日のようにWEB会議で打合せをしながら、どうやって「My Shop」を広げていくか。

知恵を絞って行動した結果が、実際に数字として加盟店件数や顧客購入件数などとして増えていくとやりがいを感じることができます。「My Shop」をインフラ化してプラットフォーマーとなることがこの事業の目標です。安定した会員基盤があってこそ、コンテンツやサービスの拡充に繋げられると考えています。

サービス開始から約1年。これからのビックデータの時代に即したサービスであることに確たる自信がある一方、できることはまだまだたくさんあります。前職のWEB広告の運用経験を生かして、「My Shop」をWEB上で集客できる仕組みも立ち上げたいです。

結果が即座に反映されるネットの世界には実働の営業とはまた違う可能性があると思います。「My Shop」のインフラ化を目指して、多方面から企画戦略を立てるのは楽しいです。社長には「いずれマーケティングの部署を立ち上げたいです」と直談判しています。

「My Shop」をどの客層にどう発信するのか。その分析が今後必要になってくると考えているからです。社長からは「そのために今は現場を歩いてしっかり現場の声を聞きなさい」というアドバイスをもらっています。

やりたいことを否定せず、受け入れてくれる会社の社風は私にとても合っていると感じます。自由度が高い分、自分が試されるという環境にワクワクします。

成果が見える数字にやりがいを感じる。

人生の中で、最も時間を費やす「仕事」が、楽しいかどうかはすごく重要な要素だと思います。私が今の仕事に感じている楽しさは結果が数字で明確にわかるという点です。これまでの経験を振り返って考えても、私にとって数字は大事な要素です。

実際に店頭でポスターを貼付したり、ビラ配りをしたりしているとき「どうやって登録するの?」と難しそうに登録しているお客さまの姿や「My Shopでポイントもらえた!」と嬉しそうにしているお客さまの姿を見てきました。

それも踏まえていつも見ていた数字を見ると「今回の施策はこういうお客さまには合っていなかったかな」とか「こういうお客さまにはどんな方法でアプローチするのがいいのかな?」等、数字を見ながら実際のお客さまをイメージできるようになってきました。

そうすると、より数を見たり、方法を考えることが楽しくなります。逆に数字がなければお客さまが実施した施策に対してどんな反応をしたかが分かりません。

何に楽しみややりがいを感じるのか、というのはひとそれぞれだと思いますが、やりたいことが明確な人はそれだけですごいと思います。私はやりたいことを見つけるのに少し時間がかかってしまったかもしれません。

ですが、ほんの少しでも「おもしろそう」と思って興味をもったところから探求心が生まれ、ひらめきや新たな発想につながり、今では仕事が楽しくなってきました。気になった何かを始めてみることが大事だと思います。

おそらく、やりたいことは自分が続けてきたことの延長線上にあるのではないかと思います。学生のみなさんも、まずは何でも挑戦してみてください。続けた先に、自分のやりたいことは必ずあるはずです!

ライター 松田 和幸さん:

永山さん、取材にご協力いただきありがとうございました!やりたいことが見つからない中で、周りに流されて決めた進路。でも、その先で本当に自分がやりたいことを見つけたというお話に、思わず首を大きく縦に振りながら聞いていました。まさに今、進路選択でとても悩んでいる、僕と同じ世代の人たちにとって、勇気をもらえる生き方をしていらっしゃることが、とても励みになりました。ありがとうございます!また、自分の進路のことを自分だけで考えて決めるんじゃなく、人の勧めにも耳を傾けることができる柔軟さと、決断の大胆さも素敵だなと思いました!


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