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苦手な接客が理由で、仕事を辞めたいと思うこともあった

入社してからは読谷店に配属されました。調理に関わりたくて工場勤務を希望したのですが、配属は店舗の接客でした。希望の配属でなかったことに加え、接客にも自信がなかったので配属当初は困惑してしまいました。

就職したてのころは学生時代の延長で、なかなか朝起きられず、遅刻をすることもありました。遅刻をする度に店長には、遅刻をしてはいけない理由を落ち着いた口調で諭されました。自分への不甲斐なさや、仕事のやり甲斐がまだ見出せなかったこと。また、遅刻した気まずさなども重なり、何度か仕事を辞めたいとも思うこともありました。

そんな中、就職してわずか1年目に、母校で「マナー講座」をする機会がありました。顔見知りの在校生や先生もちらほらいる中、まだ社会人になったばかりの私が彼らに何をどう伝えるのか、とても悩みました。

用意された2時間で、一から自分で資料を準備して段取りを考えて進行まで…。初めての経験で緊張し、本番は駆け足で進行してしまいました。結果、ペース配分がうまくいかず、時間を持て余すほどでした。しかしこの経験ではいかに段取りが大事かを教えてくれたと同時に、大勢の前で発表する力もつきました。

接客のポイントは、相手の気持ちを推し量ること。

当初は苦手なことの連続でしたが、少しずつ店長にも仕事を任せてもらえるようになり、急な仕事の依頼や、他店からのヘルプの依頼も断らず、とにかく誰かの役に立てればと言う意識で仕事を続けてきました。

苦手だった接客では、お客さまの気持ちになって考えることを心がけるようになりました。来てくださったお客さまとのやり取りひとつでも、お客様の思い出に残るようなものであってほしいですし、結果それが沖縄観光の質の向上につながっていければと思います。

接客とひと言でいっても対応は多種多様です。例えば、お客さまの中には店員に話しかけられずに自分で決めたい人もいる一方、店員と話して購入する商品を決めたりする方もいます。また御菓子御殿の商品に関わらず沖縄の土産品全体のことを知りたい人や、近隣の観光スポットの情報を知りたい人までいます。

それぞれの立場に立って、話しかけたほうがいいかどうかから始まり、どう接客するかを考えています。ある時、お客さまと釣りの話で盛り上がり、商品の購入につながったこともあります。

偶然な出来事でしたが、共通の話題で盛り上がれたことは、人見知りの私にとって大きな経験となりました。それからはお客さまと私自身との共通点という会話を盛り上げるヒントがないかということを意識しながら、お客さまのお話を丁寧に聞くことを意識しています。

お客さまとのコミュニケーション力では、パートの店員さんは上手ですね(笑)。話しかける時もお客さまとの壁を感じさせません。また相手からの話しかけられやすさにおいてもまだまだ敵いません。日々その接客態度から、学ぶことは多いです。

例えば、商品の中には他より値段が高めの生菓子もあります。賞味期限が短いので、早めに召し上がってほしい商品なんですが、私は「高値・賞味期限の短さ」などをどう克服してお客さまに選んでもらえるかを考えていました。

しかし、恩納店で一緒に働いたパートの方は「値段が高い分、高級感があって大切な人に送るのに最適ですよ」とか「賞味期限が短いけどそれは’’生’’商品だからであって、とっても美味しいですよ」というように、商品の魅力を引き出して伝えるのがとても上手でした。彼らから売り方を学ぶことはたくさんあります。

そういった現場での経験を経て、昇進していく中で次第に責任感も増してきたように思います。現在の職場ではシフトの管理や店舗内の商品陳列の改善などを手掛けています。団体客が入る際は、店員の増員や店舗内の混雑を避けるための工夫もしています。

現場を管理する立場になった今、一番意識していることは働く仲間の意見をしっかりと受け止めることです。小さなことですが、レジの配置を変えたり、シフトの調整をしたり。皆さんが働きやすくなるような店舗運営を心がけています。

「ありがとう」と感謝されるととても嬉しいです。また、どんな仕事も断らずに受けてきました。お客さまから「明日までにお菓子を100個準備してほしい」といった注文や、大量注文がキャンセルになった他店から「商品を引き取ってほしい」といった依頼も全て引き受けてきました。

断れない性格もあると思いますが、周囲の困りごとには丁寧に対応してきました。この歳で副店長という立場を任せていただけるようになったのは、そうした小さな仕事の積み重ねなのかなと思っています。

仕事を楽しいと思えるものにさせたい。

本来入社する以前からやりたかった工場での仕事ではなく、苦手だった接客の仕事でここまで昇格し、年々責任も増していますが、今は仕事に対してやり甲斐を感じて働けるようになってきました。

入社当初、社会人として未熟だった私をここまで育ててくれた店長にはとても感謝していますし、将来私が店長になって同じように後輩を育てることで恩返しをしていきたいという思いもあります。

また、御菓子御殿でお客さまに幸せを感じてもらいたいとも思いますし、御菓子御殿で働く社員にも仕事が「楽しい」と言ってもらえるようになりたいです。「会社とはこうあるべき」という形にとらわれ「しないといけない」という意識が強くなると、どうしても受け身になってしまい全てがつまらなくなってしまうと思うんです。

だからこそスタッフには働くこと、仕事が楽しいという意識を持ってもらいたいです。働く人が「楽しい」といえる企業にはどんどん人も集まってくると思います。そして、生き生きと働くスタッフのいるお店は、お客さまにも「楽しさ」や「幸せ」を感じてもらえるんじゃないかと思います。

働く上で最も重要なのは、職場の雰囲気です。私が仕事にやりがいを感じて働くことができるようになったのも、育ててくれた上司や一緒に働く同僚に感謝しています。私にはこの会社の雰囲気が今はとても合っています。

だからこそ入社以前に職場の雰囲気を感じることはとても重要です。学生のうちから「行きたい!」と思った会社にはお邪魔させてもらった方がいいです。大学生の場合はインターンシップもありますし、高校生でも直接会社に相談の上、見学させてもらう機会はあると思います。

実際にその場に行って体験することで分かることはたくさんあります。私にはこの会社の雰囲気が合っていましたが、それは幸運なことで必ずしも自分に合う会社に働けるとは限りません。

学生の皆さんには是非職場訪問をしていただきたいです。さらに、自分が会社を辞めたいと思った1年目から、今のようにやり甲斐を感じて働けるようになったのは、自分の不甲斐なさに少しくじけそうなことがあっても「ここで辞めたら負けだ」と思って諦めずに続けられたからです。続ける力も大切な要素になってくると思います。

ライター 藤本 雄太さん:

僕と同じ年生まれの比嘉さん。しかし大学生の自分にはない責任感を持ち、副店長として部下やお客さんのために働く比嘉さんの姿はとてもカッコよく見えました。責任感が増し、ただ会社(や学校)に行き、やることをこなすというようなモチベーションではなく、やるべきことを意欲的に取り組み、そして「組織をもっとこうしていきたい」という先を見据えているその眼差しに惹かれました!同い年とは思えない、社会人として考え方を聞かせていただけたので、僕自身が社会に出て働くときにも大事にしたいです。


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