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長く一緒にいるからこそ、明るい仕事場に。

琉球海運が扱う輸送物資は本当に様々です。県内のスーパーに並んでいる食品や日用品、さらには車などの工業製品も全て、県外や海外から運び込んでいます。普段の生活では、それがあることが当たり前すぎて意識できないのですが、小さなものから大きなものまで、県内のみなさんが目にするほとんどのものが海を渡って沖縄に来ています。

水族館で展示する魚だって私たちの船で運んでいるんですよ。運べないものは、ほとんどありません。他の県と地続きでない離島である沖縄にとって、海運業は県民の生活を支えるライフラインそのものといっても過言ではないくらい重要な役割を果たしています。その中でも琉球海運は沖縄航路シェアで約4割。琉球海運で働く一人ひとりが沖縄に貢献していると考えています。

私がいま所属しているのは、船舶部です。船舶部は貨物を輸送する船舶や船員、そして運航に関する一切の業務管理を行います。運行の計画から行政との手続き等、仕事は多岐に渡りますが、その中でも重要な仕事のひとつが、現在約140名いる船員の「配乗業務」、端的には人事になります。

各船員の状態、希望、職位等を把握しながら、どの船に誰が乗るかを考えて配置します。他の企業で言えば、組織づくりやマネジメントと言い換えることができるかもしれません。

船員の休暇の所得状況や航路履歴等を踏まえて、船員を各船へ配置することは簡単ではありません。海運業と言うと、大きな船体や莫大な輸送物資を連想してしまいがちですが、最終的には「人」の仕事だと考えています。

荷物は人の手で固縛され、船は常に人よって管理され、運行されています。だからこそ、船員が気持ちよく働ける環境を作ることが大切なんです。停泊した船に訪船し、船員と体調や家庭状況等、色々な話をします。

約3か月船上で生活する船員になるべくストレスがかからないような生活をサポートする。そのために密接なコミュニケーションは欠かせないですね。

海運業に限った話ではありませんが、仕事をする時間って1日の大半を占めているじゃないですか。それなら、仕事場は楽しく明るい雰囲気がいいですよね。だから私自身、明るいコミュニケーションというものを心がけているんです。

謙虚に、誠意をもって。

入社以来、船舶部に所属する数ヶ月前までは、営業部に所属していました。大変だった仕事は、「出航する船に荷主様の荷物をどれくらい積載するか」、荷物の振り分けを決める仕事です。

様々な荷主様の要望と船のスペースを調整していく作業になります。そのため、各荷主様とのコミュニケーションが重要になるのです。ある荷主様から物資の輸送量についての要望を受けた場合、少し増えることを想定して多めにスペースを確保することもあれば、繁忙期で要望をかなえられないこともあります。

輸送量の傾向を勘案したり、交渉したりしながら理想のスペース配分を考えます。満船でスペースが無い場合は、途中まで陸路で運んで別の港で船に乗せるようなことだってあります。

平均積載率は9割くらいですが、工夫と交渉を重ねて100%荷物を積めた時は一番仕事のやりがいを感じるときです。沖縄に向けて出航した船を見送るときが一番嬉しいですね。数パーセントの違いと思われるかもしれませんが、1隻で運べる貨物は、多いものだと1万トン。

その一隻が沖縄の産業や県民の暮らしに大きく貢献するわけですから、影響の大きさは計り知れません。仕事自体は決して派手ではないのですが、沖縄へ貢献しているという実感はあります。

コミュニケーションの重要性に初めから気付いていたわけでもありません。失敗した経験もたくさんあります。むしろ、学生時代を振り返ると、どちらかと言えば人と接することは苦手でしたし、コミュニケーションが重要なことだとも思っていませんでした。

ある時、上司と県内の製糖会社を訪問した際、打ち合わせの場にコーヒーと砂糖を出していただく機会がありました。そこで、私は何も考えずコーヒーをブラックのまま飲み切ってしまったんです。

帰り道、その上司から「顧客である製糖会社に来て、そこで出された砂糖(商品)に手をつけないのは失礼だろ」と怒られました。商品を売るだけが営業ではない。お客さまの気持ちを汲んだ上での付き合い方や営業としての心構えを教わった良い経験になりました。

その叱ってくれた上司には仕事のやり方や考え方等、色々指導してもらいました。入社1年目の頃は、「お前はまだまだ赤ちゃんだ。早く勉強して結果を出せ」と言われていました。仕事では、結果を出すことがまず大切。だから今でも、仕事で結果を出せるよう勉強は怠りません。

また、入社して5年目には「謙虚に、そして人格を磨きなさい」、7年目には「一緒に働く仲間へ配慮できるようになりなさい」との言葉をもらいました。歳を重ねるごとに、そのステージにあった教訓を教えてくれたその上司は、私の目標であり、最も尊敬する方でもあります。

謙虚に誠意をもって。そして楽しく情熱をもってエネルギッシュに―。入社から7年経ち、教わってきたひとつひとつの言葉を仕事の中に落としこみ、やりがいを感じながら仕事ができるようになってきました。

いつでも、その時を全力で。

琉球海運は2020年1月23日をもって、創業70周年を迎えます。今後、100年企業になるという目標に向かってこれからの海を進んでいきます。琉球海運がこれまで続いてきたのは、沖縄にとって海運業が重要な産業だからというものもありますが、それだけでは長く続く企業にはなりません。

実際に、沖縄にあったいくつもの海運業者が廃業になってきた歴史もあります。新しいことに挑戦できる環境があること、社員同士が明るく話しあえる雰囲気があること、そういった風通しの良さが琉球海運の歴史を支えているひとつの要因ではないか思います。特に、これから先成長していく企業には、働いている誰もが挑戦できる環境が大切だと思うんです。

仕事でうまくいっているときやうまくいかないとき、楽しいときやヘコむとき、日々の仕事だって生活だって、いろいろ波があると思います。でも、どんな時も今を精一杯生きることが何よりも大切だと思います。

努力した結果、「自分はこのくらいしかできないのか…」なんて思っても、そのとき100%の力を出し切ったのであれば後悔することはありません。だから「あの時、こうしておけばよかった」なんていうのはナンセンスだし、今がどんな状況であれ今出せる力を出し切るしかないんです。

若者の皆さんも、自分が本気を出せることを見つけて継続してほしいしです。どんな状況でも、その時の100%で頑張っていれば、自分が目指したいものや、あるべき姿が見えてくると思います。

ライター 高橋 直矢さん:

学生でも、なかなか成果が出なかったり、理想通りにいかなかったりして、へこんでしまうことってよくあります。でも、それも今の自分の100%の力。そう考えてポジティブに頑張れる大人になりたいと思いましたし、だからこそ、自分が夢中になれるものを見つけていきたいと感じました。なかなか意識できないけれど、とても大切なことにたくさん気付かされた、学びになる取材でした!ありがとうございました!


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